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今月のことば

2018年10月号

2021三重とこわか国体に向かって

平賀秀忠


 前任の乙部満生会長の後を引き継ぎ、三重県柔道協会会長の重責を担って1年半が過ぎました。私を柔道に導いて頂いた恩師である瀬古修先生(故人)が病床で「お前が会長の時は総体、国体の一番大変な時期に当たるが、これも何かの巡り合わせ。その巡り合わせに感謝するように」と言われたことが昨日のことのように思われます。「歳月人を待たず」や「光陰矢の如し」と言いますが......。なるほど、年を重ねるごとに月日の経つのは本当に早く感じられます。
 さて、平成最後となる「平成30年度全国高校総体柔道競技」は、8月8日から12日まで津市の産業・スポーツセンターで開催されました。昨年10月に新装された施設で、大勢の応援団や観客の皆様にご来場頂き盛会となりました。本県高体連の先生方を中心に準備を進め、さらには関係各位からのご助言ご指導を頂き、大会を無事終了できましたこと、誌面をお借りし心からお礼申し上げます。
 本大会におきまして、三重県勢は男子団体で名張高校が昭和48年三重県大会以来となる45年ぶりの5位入賞、女子個人では57kg級堂?月華選手(名張高校)が準優勝、78kg級の宮橋光選手(名張高校)が3位となり、開催県として素晴らしい活躍をしてくれました。他にも団体・個人戦においてあと一歩で入賞というチームや選手もいましたが、何より地元の皆様の大きな声援が、選手たちに実力以上の力を発揮させてくれたものと感謝申し上げます。またこの大会に向けて、日頃から心血を注いで指導や強化にあたってこられた先生方にも、感謝を申し上げたいと思います。
 三重県ではこの大会に先立ち、平成25年の「全国中学校柔道大会」に始まり、平成28年の「全国小学生学年別柔道大会」、そして今年度の「全国高校総体」と、6年の間に全国規模の大会が続いて開催されました。ラッシュアワーのような全国大会の開催で、強化・普及活動はもとより、県協会員の連帯意識も高まり、目標に向かって一致団結したと同時に、県内の柔道愛好者を魅了しました。そしてこれらの集大成として、東京オリンピック翌年の2021年、いよいよ第76回「三重とこわか国体」が津市メッセウイングで開催されます。
 前回の三重県開催の国民体育大会柔道競技は、昭和50年に名張高校体育館において開催されました。当時、財政状況も厳しかったのか「ケチケチ国体?」と揶揄されたのが思い出されます。しかし、必要なものはきちんと揃っており、他府県に比べ決して遜色はなかったと思っております。その大会での三重県チームの戦績は、少年男子の勢いに乗り、総合優勝を果すことが出来ました。優勝が決まった試合後には、三重県教育委員会副参事が試合場下で我々選手に対し手を広げ、笑顔で迎えてくださいました。この時の感動は今でも鮮明に記憶しています。
 私自身、当時は選手として出場していましたが、半世紀近くの年月を経て、今度は運営や選手を支える立場として参加することとなりました。すでに日程も決定し、動き出しています。私の柔道人生において、2度の国体に深く関わることができることは大変光栄であり、この巡り合わせに感謝しております。経済的、人事的にも課題はありますが、国体成功という重責を果すべく、私自身が誠心誠意取り組むことはもちろんのこと、協会員一同と一枚岩となって取り組んでいく所存です。

国体への取り組み
 本県協会として2021年の国体開催を見据え、競技力の向上を図るため、数年前から優れた素質を有する子どもたちを早期に発掘し、強化・育成に取り組んできました。小学生の大会で上位入賞した選手に強化選手として三重県特産の伊勢エビをイラスト化した「ミエビー」のワッペンを渡し、保護者のご理解、ご協力のもと、県の代表選手であるという自覚を育て、強化練習を繰り返してきました。
 その取り組みとして、以下の3点を行ってきました。
① 指導体制をさらに充実させると共に、高校、大学の競技のレベルを引き上げる。
② 2021年の「とこわか国体」に向けての選手育成、成年選手の確保と共に、その練習場を確保し、環境設備を良くする。
③ 少年男女への一貫した強化を継続し、競技力の向上を図る。
 課題は山積していますが、全種目入賞を目標に掲げ、これまでの強化策を一層充実させてきました。
 その結果、平成25年全中大会、28年全小学年別大会、平成30年の全国高校総体と全国大会を重ねながら本県の入賞者も増え、国体を見据えての強化策が徐々に実り始めていると感じています。

現状と課題
 全国どの県も状況は同じですが、年々柔道の登録者数が減少しています。その原因として考えられることは、少子化とスポーツの多様化です。さらには中学校における指導者不足があります。小学生以下の子どもを主体とした道場・クラブチーム等の少年柔道は、熱心な指導者のもと地域に根差し、普及・強化が進んでいます。その結果、全国大会で入賞する選手も多数輩出しています。しかし、進学先の中学校では、顧問不在のため柔道部がないという現状です。選手の中には活動の場を求め県外へと移る者もおり、中に優秀な選手もいます。本県協会としては、柔道の一層の普及・強化のためにも、地域の皆様のご協力を得ながら、少年柔道から青年柔道までの一貫した指導体制を構築していくことが急務です。そして、今後も子どもたちの健やかな心身の成長に寄与していきたいと思っています。

さいごに
人口のそれほど多くはない、そして決して財政的に恵まれているとはいえない三重県において次々と開催される全国規模の大会。区切りとなる2021年の国体の成功まで、まだまだ課題は山積しており、その解決に向け、取り組みを進めていかなければなりません。日々、自らの力のなさを実感するところでありますが、これは私に与えられた使命とし、その巡り合わせに感謝の意を忘れず、参加される皆様、関わって頂く皆様の記憶に残る大会とするべく、前に進んでいきたいと思っております。どうか、皆様からのご指導ご鞭撻のほど、お願い申し上げます。
                        (三重県柔道連盟会長)

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