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今月のことば

2019年10月

柔道人口減少の課題と目標

久保雅資


 本年4月に高知県柔道協会会長を引継ぎ、約半年が経とうとしています。協会運営の責任者として身が引き締まる思いであり、諸先生方にご指導、ご協力頂きまして業務を進めております。どうかよろしくお願い申し上げます。
 さて、高知県は四国の太平洋側に位置し、東西に長い地形で、東に室戸岬、西には足摺岬があり、中央の桂浜には坂本龍馬の銅像が太平洋を臨んでおります。また、「よさこい祭り」の発祥地として、高知市内は毎年8月に祭りで賑わいます。最近は、インターネットを通じて結成された外国人チームの参加も始まりました。
 本県の人口は、自然減や若者の都会流出から年々減少し、70万人を切る様になりました。柔道人口についても同様に減少しています。特に中学校や高校の部活動数が少なくなっています。柔道人口の減少は協会の収入減となり、だんだんと会計を圧迫し、今までと同じやり方では運営が難しくなることが予想されます。柔道人口減少に伴う本県の課題と目標について思いつくままに述べます。
柔道の魅力発信
 柔道の目指すところは人間教育です。勝負の面白みとともに社会で役立つ精神的な原理を広く周知するなど、柔道の魅力を多面的に発信することが、底辺拡大に繋がると考えています。修行者や指導者自身が広報を担当し、発信していくことが重要です。
全高知チームによる強化練習
 県内各校の柔道部員が減少しているため、多人数での練習機会を設けるために「全高知チーム」による強化練習会を概ね毎月開催しております。小学生から成人までが集合しての合同練習会は、年齢や学年を越えた新たな絆を作り、良い効果をもたらしています。今後も継続する必要性を感じています。
女子柔道の振興
 柔道人口減少の中でも、とりわけ女子が減少してきています。今後は、チーム編成が出来なくなることが予想され、振興策に取り組む必要があります。
中学高校での柔道継続
 中学や高校の柔道部が少なくなり、進学先の学校で柔道が継続できない場面が出てきています。また、柔道を専門とする若い教員も減少してきています。教員や柔道部を増加させる必要がありますが、実現には困難を伴う状況です。学校での柔道部の他に地域クラブ的な町道場を増やして、稽古の出来る環境を作っていく必要があります。
重大事故防止の徹底
 重大事故の発生を防ぐためには指導者、競技者双方が安全であることを自覚して稽古を行うことが一番大切で、正しい柔道を身につける必要があります。
昇段者の増加
 柔道人口の減少は、昇段者数の減少という形でも現われています。また、昇段を急がない先生方も多く見受けられます。昇段規則や修行内容から鑑み、適当な時期が来れば昇段の奨励を行うことが必要です。声掛けをすれば昇段を希望する先生方が多く居る様に思います。
人のために尽くす
 前職場の上司が職員への訓示の中でよく使っていた言葉です。職務倫理の根本原理となりますが、柔道を指導する場合の心構えにも応用できます。柔道協会の役員や関係者の先生方は多忙で苦労が伴いますが、柔道を通じて「人のために尽くす」ことで、社会に役立つ人間の育成に貢献することが出来ます。
 私も会長として、人のために尽くし、より良い柔道協会を作り後進者へ引き継いでいく所存です。
                           (高知県柔道協会会長)

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