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今月のことば

2009年08月

「まほろば」全国高校総体柔道競技大会に想う

加藤秀雄

 「倭は国のまほろば たたなづく 青垣 山籠れる 倭しうるはし」と、古事記に詠まれています。
 高校柔道の一大イベントである第38回全国高等学校柔道大会が、今年は52年振りに、その美しい倭の国(奈良県天理市)において開催が決っており、鋭意、準備に取り組んでいます。
 ご承知の通り、この大会の歴史は古く、第1回が昭和27年、水戸市において開催されましたが、全国高体連柔道部は、その活動方針を創立以来「常に教育の一環」として位置づけて、全柔連のご指導を戴きながら、高校柔道の理想を追求し、故細川熊蔵初代部長を中心として歴代の柔道部長へと受継がれて来たものであります。
 私は、この高校柔道とは非常に深い関係にあり、高校柔道で育てて戴いたと思っています。
 その経緯をここで振り返ってみたいと思います。先ず第4回大会(昭和30年、大分市)に天理高校の選手として出場しており、第6回大会(昭和32年、天理市)には、当時、天理大学の学生時代に指導に当っていた県立高田高校が見事県予選に優勝してくれたので、晴れの全国大会に選手を送り出しております。
 第11回大会(昭和37年、新潟市)では、当時、私は北海道旭川竜谷高校の新米教師でしたが、創部3年目にして念願の全道優勝を達成することができ、部員達と共に、歓喜の涙を流し、喜びを分ち合い、続いて第12回大会(松山市)にも2年連続の出場を果すことになりました。
 その後、母校(天理大学)からの強い要請があり、昭和39年に天理高校へ監督として赴任する事になり、以来平成9年3月(退職)まで、34年間の長きに亘って部員達と共に汗を流し合い、柔道部の指導に取り組んで参りました。
 その間、お陰様でインターハイ11回、全国高校柔道選手権大会5回、国体(単独チーム)2回全国優勝という輝かしい成績を収める事ができ、多くの優秀な人材が育ってくれました。
 また昭和59年より平成5年までの9年間は、全国高体連柔道部長として高校柔道の舵取役を務めさせて戴き、講道館および全柔連をはじめ、関係者のご協力、ご支援により、高校柔道部の運営に微力ながら取り組んで参りました。
 高校生にとって、全国規模の大会は夢のような目標であり、青春の全てを賭けて取り組み、強く逞しい成長を遂げて、日本柔道界の発展に一翼を担って来たのではと自負しています。
 今年は、退職して早くも12年目に入りましたが、この度、地元で2巡目の全国高等学校柔道大会を迎える事に縁の深さを感じているところであります。
 いよいよ8月8日より天理市において開催されますが、ご承知の通りこの期間は大変な暑さであり、また役員・選手等の宿泊の問題、さらに交通の問題等、ご不便をお掛けすることが多いのではないかと案じております。また、大会運営面においても何と言っても弱小県であり、経験も少なく、満足して帰っていただけるだろうか不安を感じているところです。
 何はともあれ、選手・役員の皆様には、天理での大会は良かったと喜んで戴けるよう想い出に残る大会が開催できるよう、関係者一同、心より皆様のお越しをお待ちしています。

(近畿柔道連盟会長・奈良県柔道連盟会長)

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