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今月のことば

2007年10月

新会長として思うこと

?梨 幸輔

 北海道で永年生活していると、つい北海道の四季の素晴らしさに気づかず見過ごしていることが多い。例えば、冬二月に開催される北海道ならではの「札幌雪まつり」は、雪一色の中にかもしだされる雪像の素晴らしさに、世界各国から訪れる観光客が一斉に歓声を上げる。また、猛暑の本州から訪れる旅行者が、新千歳空港に飛行機から降りた瞬間「この空気は冷房が効いているの・・・?」と錯覚を感じさせる自然のやさしい空気の涼しさ、そしてうまさは北海道だけの自慢できる四季の一つだと思う。
 ところが今年の北海道は、太平洋高気圧の影響で厳しい暑さが続き、十勝管内音更町で一九七八年の統計開始以来最高となる三六・二度を記録し三日連続の「猛暑日」が観測され、快適を誇っていた北海道のイメージをダウンさせてしまった。
 しかし、北海道は今がスポーツシーズンの真盛りで、道内各地では様々な大会が開催され、子供から大人、そして高齢者まで、夫々が自分にあったスポーツを楽しみ、勝っては喜び、負けては悔しがり、時には怒り時には泣き、また笑い、スポーツを通してのコミュニケーションが図られていることはスポーツならではの美しい姿である。一方、オリンピックや世界選手権など国際大会での日本選手の活躍に一喜一憂はするものの、国民に勇気と感動そして大きな夢を与えてくれるのがスポーツのもつ素晴らしさだと思っている。
 先日、ある講演会の中で、講師の「文武両道は成り立つ。武で優秀な者は文でも優秀である。文に対する集中力は、武で培われるからではないか」との話を聞き「やはりそうだ」と強く共感を覚えたところである。
 おそらくスポーツ(競技)の中で、自分にできないことについて「なぜできないのか、どうすればできるのか」等々を考えた時、練習実践し身につける努力をするということが、勉強の面でも生かされ、「努力をし、継続をし、工夫をする」ということが、色々な形でその成果を生み出すものと思われる。
 しかし、いくら努力しても越えることが出来ないハードルがあることも事実で、それは「才能であり、天賦の才」だと言われている。この「天賦の才も努力なしには、絶対開花しない」ことも事実で「天賦の才を見出し、努力と継続の力」を与え、「やる気を起こさせる」そして「そのことが将来にわたって伸びて行くようにする」のが良き指導者であると思う。
 このようなことを見るにつけ聞くにつけて、指導者の役割りがいかに大切で大変なものかを今更のように考えさせられる。
 八月に発表された「スポーツ省」の新設提言の記事を目にし、大変素晴らしいことであり、このことが実現されるならば、選手・指導者が一丸となって取り組むことが出来、将来きっと素晴らしい選手が誕生することと思い、一日も早い実現を望むものである。 私は、この四月から前会長須貝忠吉九段の後任として会長を務めることになり、今身の引き締まる思いをしている。
 須貝先生は、北海道柔道連盟の会長として、平成九年より平成十九年までの五期十年間務められ、「文武両道」に秀で、雑誌「柔道」の巻頭言を平成三年三月号より十三回執筆され、何時もその卓越した執筆に感心させられて居りましたが、この度、小樽柔道会の計らいで、須貝先生の「巻頭言集」が発刊され、改めて熟読する機会を得て、感無量である。
 北海道柔道連盟は、今、良き指導者に恵まれ、着々と選手育成が図られている。
 これからは全日本柔道連盟のご指導を頂きながら講道館柔道発展のため、何をどう成していくかを考え、どう行動すべきかということを忘れず「裸の王様」にならぬ様に努力したいと考えて居りますので、今後共よろしくご指導下さいますようお願い申し上げ、新会長としての「巻頭言」とさせて頂きます。

(社団法人北海道柔道連盟会長)

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