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今月のことば

2005年10月

日本の青少年に「生竜活虎」の気魄を!

須坂 春樹

□どんな立派な機械を造っても、その機械を動かすのは人である。どんな立派な制度を作ってもそれを活用・運営・推進するのは人である。
 日本の将来を考えるとき、何が一番大切なのでしょうか。
 日本の国を動かすのは、日本国憲法を基本とする、各種法律、条例、規則ではないはずです。
 その法に基づいて国民一人ひとりが日本国を動かすのではないでしょうか。
 だからこそ、いかに人間性あふれる、人の痛みがわかる人間を作るかが重要なのであります。

□柔道による人づくり
 人の生涯で、素晴らしい人との出会い、正しい教育、充たされた環境の中で培われ、育まれることにより、各人が人として立派に形成されるのではないでしょうか。
 では、これらの条件はどうしたら獲得できるのでしょう。それは日本の『武道文化』に求めていただきたいのであります。とりわけ柔道によって全て充たされるものと信じています。

□バランスをなくした日本人
 仏教の教えに「心身一如」と言うことばがあります。これは肉体と精神は一体である。と教えているのです。
 日本国は、敗戦後それは悲惨な状態(極貧状態)から、本当にわずかな期間に復興を遂げました。
 しかし、同時に日本人は、豊かな生活を望み、便利と快適を求め続けたのであります。そして、金と物に執着し、これを崇拝したのであります。その結果当然ながら「心身一如」のバランスを崩れてしまいました。
 日本人の精神を失った日本人は、動くたびに全てのバランスを崩してしまったのです。そんな中、経済大国の美名の下で「叱ることの出来ない日本社会」が作り出されてしまいました。

□愛のムチが使えない社会
 親が子を叱れない、教師が生徒を叱れない、地域が近所の子を叱れない!
 だから、子供たちは大人を自分と同等の人間としか見なくなってしまった。
 昔は、「叱る!」と言うより「小言」(こごと)という言葉があった。
 近所に「小言幸兵衛」が、その子供たちを集め小言を言ったものです。
 そして、その小言の中で、道徳を教えていった。それが小言を聞いた子供たちのモラルの高揚になっていったのでしょう。
 また、地域の「小言幸兵衛」だけでなく、各家庭でも、学校でも、子供たちに「良い・悪い」をはっきりと教え、時には、愛のムチを使ったのである。
 現在の日本は、誤った暴力観ろ言うか愛のムチも体罰も区別がつかない大人が横行したため、子供たちは、愛のムチの痛さも愛の鉄拳の痛さも知らずに、世におくり出され、そこで遭遇するあらゆる想定外事案におびえ、おののき、不幸な結果をまねいてしまう。

□「武道」(柔道)による愛のムチと愛の鉄拳
 柔道の少年修行者は、道場において少なからず、愛のムチ・愛の鉄拳の痛みを経験するでしょう。
「弟子がにくくて、殴る師匠はいない」
 愛の鉄拳は、痛みの中に熱い情を感じるものである。これを体罰と受け止める子供はいないはず。
 叱ることのできない現在の日本社会において「武道」(柔道)こそ、この"じれんま"を解消させる唯一の手段と信じています。

□神奈川県柔道連盟のドリーム企画
 神奈川県柔道連盟は、前述の考え方から「親子で燃えよう!こんな時代だから...」をキャッチフレーズに、第1回神奈川県選抜小学生親子団体柔道大会を実施することとしました。
 この大会の狙いは、
 親が子を殺し、子が親を殺すそんなニュースが報道されるたびに心が痛み「何か、世の中狂っている!」そんな思いがする人は少なくないと思う。
 柔道愛好者が集う、神奈川県柔道連盟は、こんな時代だからあえて、柔道を通して親子が共に燃え、共に熱中してもらえるような企画を一考したのである。(小学1年から6年までの各学年1名ずつの選手で、その中の親(父・母)が大将となる7名編成のチームとした。
 これを県内外に広く普及発展させて行くことで、親子の断絶を正常化し、そして「親が子を愛し子が親を慕い敬う」そんな時代へとUターンしたい、そして「親を想う心に勝る親心」が、次代を担う青少年の心に宿ることを熱望し、柔道の徹底拡大と同時に柔道を通して親子の断絶など皆無の地域社会実現を目指すことをその狙いとする。
 このドリーム企画は、現在推進中の柔道ルネッサンスの一環企画でもあります。

(神奈川県柔道連盟会長)

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