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今月のことば

2021年4月

長野県柔道連盟の近況

岩下富夫


はじめに
 2019(令和元)年度の3月、長野県柔道連盟の理事会および評議会の決定を経て、2020(令和2)年4月から長野県柔道連盟会長を仰せつかり、重責を担う立場に身の引き締まる思いです。
 「変えるべきことは変える」「変えては成らないことは守り抜く」の2点を基本方針に掲げ、役員や全会員の皆様方との結束を強固なものとし、柔道の普及発展と競技力の向上を図ると共に、若き会員の斬新な発想や智恵も積極的に取り入れながら、連盟の一体感と公平感を保ち運営を行って参りたいと思っております。
 この新型コロナウイルス感染症の被害状況は、過去2つの世界大戦と世界恐慌に次いで近代史上4番目の規模となるようです。また厄介なのは、コロナウイルスが変異しながら猛威を振るう危険を伴っていることです。さらに、2020東京オリンピック・パラリンピック開催延期で、日本を含めた世界経済は本当に維持できるのか、過去の金融危機とはやや様相が異なっていると思われ心配でなりません。
 ようやくここへ来て日本各地で第3波が落ち着きを見せ、本県においても感染者数が減少に転じてきています。また我が国を含め世界各国でワクチン接種が始まり、その成果が期待されるところでありますが、今は一刻も早い終息を願うばかりです。

一昨年の豪雨災害、現在のコロナ禍を乗り越えて
 2019(令和元)年10月、台風19号によって私の住む佐久地域は、豪雨災害に見舞われました。本県と新潟県を流れる全長367kmの一級河川・信濃川(本県に遡ると千曲川)の氾濫でした。鉄橋の崩落や堤防の決壊など、佐久市、東御市、上田市、長野市を含めた大災害となり、現在も復旧工事が進行中です。この影響で、中学生や高校生の新人大会が中止となりました。そして今回の新型コロナウイルス感染症と不運の連続であり、柔道愛好者にとって本当に辛く切ない状況でした。
 昨年3月、長野県の柔道愛好者の悲願であった長野県立武道館が完成に至りました。しかしコロナ禍の影響で4月から9月末までの大会、行事はすべて中止か延期、全柔連の指導のもと徐々に活動を再開してきたものの、悔いの残る1年でした。このような状況下で、未来を担う小学生、中学生、高校生たちが目標を失い柔道から離れてしまうではないかという危機感がありました。そんな中、本連盟では、当時の会長や普及部が発案し、長野県在住のタレント松山三四郎氏や県内出身者で活躍中の出口クリスタ選手など多くの関係者に協力をいただき「コロナに負けるな」の動画をYouTubeで発信しました。また県主催の安全講習会は、全日本柔道連盟倫理推進室副参事の道村信吾先生の後押しもありオンラインで実施いたしました。参加者約200人と本連盟の柔道に対する思いの強さが再確認でき、さらに感染症対策からの新たな取り組みにも着手できたことは大変ありがたいことと感じております。
 2021(令和3)年8月には、第70回全国高等学校総合体育大会柔道競技が長野市で開催予定であり、また2028年の国体も長野県開催が決定しております。

長野県立武道館の建設
 長野県立武道館建設に至る経過を簡単にご紹介いたします。
 1998(平成10)年2月7日から2月22日まで、長野冬季オリンピックが長野市を中心に開催されました。この頃から県立武道館建設の声が上がり始め、候補地は数ヵ所ありました。そんな中、2007(平成19)年に佐久市で市営武道館立て替えに関する陳情書が市議会に提出されていました。その後、市議会で採択され、県武道連絡協議会が知事、教育長に対して17万人の署名を集めて提出し、また知事へ県立武道館の早期建設を求める要望書の提出を行い、市体育協会役員、武道団体代表者等が県立武道館誘致に動き出しました。それによって県側でも武道振興のあり方が検討され、県と市が共に建設することはメリットが大きいとの判断をいただきました。
 2015(平成27)年、県立武道館基本構想検討会議で県立武道館の機能や規模が示されました。翌年、地方紙に県立武道館の建設予定地として佐久市が検討されているとの記事が掲載され、2018(平成30)年8月に着工、2020(令和2)年2月に工事が無事完了しました。
 主な施設・館内設備は以下の通りです。
〇主道場:面積2048m2、柔道、剣道の試合場6面設置可能、観客席1512席。イベント用ステージ設置(イベントには1、2階合わせて3000人収容可能)。
〇柔道場:面積763m2、336畳敷き、柔道の試合場3面設置可能、観客席202席。
 今後は、長野県立武道館が武道振興の中核的拠点施設として、県民はもとより、全国の皆様に活用していただくことを心より望んでおります。本県柔道連盟といたしまして、全会員の力を結集し、柔道の魅力を全国に発信できるよう努めて参りますので、皆様方のご理解とご協力をこの場をお借りしてお願い申し上げます。
 最後になりますが、柔道を含むすべてのスポーツが今まで以上に愛され、親しまれるよう望んでおります。
                           (長野県柔道連盟会長)

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