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今月のことば

2015年2月

愛媛の柔道雑感

河野賢嗣

 平成26年4月1日、財団法人愛媛県柔道協会は一般財団法人として新たなスタートを切りました。それに伴い、若輩の身ではありますが、一般財団法人愛媛県柔道協会会長の重責を担うことになりました。新法人へ移行してから11ヵ月、相変わらず右往左往している状況ですが、歴代会長の意志を引き継ぎ、柔道の普及・発展に力を注ぎ、講道館柔道・愛媛の柔道の発展に全力を尽したいと思っています。
 それでは、愛媛の柔道の現況について思うままに記させて頂きます。

1 法人移行
 昭和58年8月5日、愛媛県柔道協会の財団法人化が愛媛県から正式に認可され、以来31年間、歴代の会長を始め役員及び会員が柔道の精神と技術を通して、県民スポーツの振興及び青少年の健全育成に力を注いで来ましたが、平成18年に施行された「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」により、法人移行が義務付けられ、平成23年度の理事会・評議員会において審議の上、「先輩諸氏が築き上げた特例財団法人から一般財団法人への移行をスムーズに行うべき」と決議されました。
 その後、理事会の開催を重ねるとともに、県の指導や公益財団法人愛媛県体育協会等、移行を完了している各種団体から助言を仰ぎながら移行手続きを進めました。結果、平成26年3月20日に県知事から認可書を受領し、その後、登記の手続きを経て、冒頭の通り、同年4月1日をもって一般財団法人愛媛県柔道協会がスタートしました。
 新法人の公益性を持った主要事業として、大会開催、選手派遣、講習会の3つの柱を掲げ、それらの事業を遂行するために鋭意努力を重ね、講道館柔道の普及・発展に寄与したいと思っています。
2 柔道人口の減少に対する対策
 数年前から全日本柔道連盟登録人数が減り、20万人を下回ったと聞いています。本県においても同様であり、中学、高校、大学の部員数はもちろん、町道場へ入門する子供たちや、一時増えつつあった女性愛好者にも減少傾向は及んでいます。
 そのような現状の中、柔道の普及、柔道人口の増加を目的として以前から当協会が取り組んでいる事業(大会)を紹介します。
 まず、小学生や幼児を対象とした愛媛県少年柔道錬成大会(個人・団体)や町道場単位の小学1年生から中学生3年生までを1チームとする愛媛県選抜少年柔道大会(団体)を開催し、錬成大会で上位に入賞した選手を県強化選手に指名することで、子供たちの柔道に対する意欲や関心を高めています。
 次に中学生を対象とした愛媛県スポ・レク祭中学生柔道大会(団体・個人)や愛媛県中学生選抜体重別選手権大会(個人)を開催し、体重別選手権大会で上位入賞した選手を県強化選手に指名し、県外遠征等に参加させています。
 高校生、大学生及び社会人を対象とした愛媛県柔道大会(団体)は、現役選手だけではなく、指導者や無段者及び女子選手が参加できるよう4部門に分けており、一度柔道から遠ざかった社会人を再度、柔道に呼び戻すことを狙った大会になっています。
 また、民放テレビ局の協力を得て、愛媛県女子柔道選手権大会(小学生の部・体重別選手権の部・愛好者の部)を開催し、女子柔道の普及にも努めています。特に愛好者の部には、家庭に入り柔道を離れたお母さん方に参加を呼び掛けて女性愛好者の増加を図っています。
3 「えひめ国体」を控えて
 平成29年に「えひめ国体」が開催されます。県民一丸となって成功を目指しています。また、「天皇杯」獲得を目標に各競技団体も懸命に力を注いでおり、当協会も大会運営及び選手強化スタッフを指名し、全力で取り組んでいるところです。
 柔道競技は日本屈指と言われている「愛媛県武道館」を会場として行われます。現在、愛媛県や開催地である松山市の担当者と、運営等について協議を重ねながら万全の態勢を目指し準備をしています。
 全国の皆様には、平成29年には愛媛に来県され、柔道競技の観戦と愛媛県武道館の素晴らしさを体感して頂きますようお願いいたします。
 愛媛県柔道協会は今、大きな岐路に立っています。新法人移行を機会に今まで諸先輩方が築き上げてきた伝統を守りつつ、新たな伝統を築き上げなければなりません。そのための組織作り、若手指導者の育成、諸規定の見直しなど、改正すべき問題点が山積しています。これから役員、会員が一丸となってそれらの諸問題を解決し、一歩一歩前進したいと思っています。
 結びに講道館柔道の益々の普及・発展を祈念申し上げ、拙文を終わります。

(一般財団法人愛媛県柔道協会会長)

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