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今月のことば

2019年12月

「いきいき茨城ゆめ国体」終了に思うこと

萩原 榮


 第74回「いきいき茨城ゆめ国体」が無事終了できましたことは、全日本柔道連盟から懇切丁寧なご指導を頂き、また茨城県と龍ケ崎市の全面的なご支援、及び全国柔道関係者皆様の温かいご理解ご協力があればこそと、改めて敬意と感謝を申し上げます。あと8年、あと5年、まだ3年と時を数え、準備作業を進めましたが、終わってしまえばアッという間でありました。
 国体の総括として、大井川和彦知事が「未来への飛躍につながる素晴らしい大会だった」と閉会を宣言しました。天皇杯・皇后杯とも、茨城、東京、愛知、埼玉の順であり、茨城県にとっては前回大会以来45年振りの天皇杯・皇后杯獲得で県民の期待に応えたのであります。
 本県の柔道選手団は、成年男子が東京と対戦し0対1で惜敗し、5位入賞に止まり、女子は緒戦において1対1の内容差で敗退、少年男子は、一回戦こそ大将が逆転の一本勝ちで勝利しましたが、二回戦で武運つたなく若者の夢は花と散りました。しかし選手たちは、全国の強豪相手に善戦健闘し、天皇杯得点にいささかなりとも貢献できたと納得もしています。勝ったチームに拍手を贈り、本県選手は捲土重来を期して精進を続ける所存であります。
 さて、柔道競技の1週間後に3日間の日程で開催される予定であった、第19回全国障害者スポーツ大会「いきいき茨城ゆめ大会」が、台風19号の接近に伴い競技前日に、全日程の中止が決定されました。地球温暖化による気象変動が、大会開催に悪影響を及ぼす結果となってしまいました。既に本県入りし、帰郷を急ぐ選手の目には涙も見られ、中止を発表した県幹部の落胆ぶりは目に余るものがあり、残念の一言に尽きます。

勝負について思うこと
 「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」と言われています。負けには必ず原因がある筈ですが、内容的に立派な負け、価値ある負けも少なくないと思われます。力と力・技と技、意地と意地がぶつかり合い、堂々と「一本」を取りに行く姿勢には、敵味方の区別なく闘う姿そのものが美しいと感じます。勝負ごとは得てして勝者を称えがちですが、敗者への評価もまた重要な意味を持つものです。
 競技者の中には、自己記録を大幅に更新しても予選落ちし、自己記録に及ばなくてもメダルをとる選手がいます。どちらがより立派であるかは、意見の分かれるところではありますが、優劣をつける議論に意味は無いと思います。勝つことに価値はありますが、負けてもその一敗は人生の烙印ではなく、勝利への一里塚、神から与えられた勝利へのチャンスと受け止め、精進を続けていくことに勝者に劣らぬ価値があると思います。

大盛況のイベント企図
 大会2日目、全柔連主催のイベントが大盛況で子どもたちの喜々とした声、観衆の大きな拍手や笑い声が沸き起こりました。
 世界柔道選手権女子78kg超級の金メダリスト・素根輝選手に参加して頂き、選ばれた小学生男女20名は、欣喜雀躍、大喜びでお迎えしました。素根選手は、得意技の体落を解説し、その後も小学生の打込、投込、乱取に参加し、全身に汗をかきながら熱心に指導されました。その姿勢にお人柄が表われており、感動しました。素根選手の熱い指導に小学生たちも精一杯応えていました。世界チャンピオンに指導を受けたという事実は、生涯の誇りになるものと思います。
 絶妙な話術で進行役を務めた北晃先生、明るく子どもたちに接して感想や質問を引き出した濵名三代子先生に厚くお礼を申し上げます。更にイベント会場の規模を勘案し、握手会や写真撮影等に知恵を出して頂いた全柔連大会事業課の皆様には、企画段階から行事終了時まで、大変お世話になり感謝に堪えません。ありがとうございました。

審判員にお礼
 大変緊迫した雰囲気の中で、3日間に亘り審判を務められた先生方、体力的にも精神的にも大変お疲れになられたことと思います。
 技の判定や「待て」「指導」を与える適時適切な判断能力、試合を公正公平、安全に運営する諸々の配慮等、試合審判規定に文章化されたもの以上の素養やセンスが、審判員には求められていると承知しております。今回の国体において、大きな負傷もなく、判定に対するトラブルもなく、平穏に終始できたことは、審判員の先生方のお力のお陰と、厚くお礼を申し上げます。

運営全般について
 今回の開催地である龍ヶ崎市には宿泊施設が少なく、選手・監督は千葉県成田市のホテル、役員の多くは、つくば市のホテルへの宿泊となり、会場地までバスで約50分を要するご不便をお掛けしたことをお詫び申し上げなければなりません。
 競技会そのものの運営・進行においては、齟齬のないように茨城県柔道連盟の総力を結集しようと全員で誓い合い、各自がそれぞれの持ち場で一所懸命責任遂行に努力しました。至らない点も多々あったかとは思いますが、皆様の寛容なお心でお許し頂ければ幸いです。
 これを機会に本県柔道連盟は、より真摯により能動的に活動し、斯道の発展振興に寄与すべく努力してゆく覚悟でおります。
 終わりに、時節柄皆様方のご自愛専一を祈念申し上げ「いきいき茨城ゆめ国体」の報告とさせて頂きます。

                           (茨城県柔道協会会長)

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