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今月のことば

2004年02月

アジア柔道連盟会長に再選されて

竹内 善徳

 昨年、10月29日に開催されたアジア柔道連盟総会に於いて、私がアジア柔道連盟会長に再選された。これもひとえに全日本柔道連盟のバックアップの賜と御礼申し上げます。 アジア柔道選手権大会が、十月三十一日と十一月一日の両日に韓国の済州島で開催された。この大会は元来、六月に開催されることに決定していたが、サーズ(SARS)の影響で四ヵ月延期となったのである。

 この大会の二日間に総会を開き、幾つかの議題が検討された。
 主な議題の一つは、役員の選挙であった。私は、全日本柔道連盟の推薦を受けて再度、会長に立候補したが、対抗馬もなく再選された。他の役員も、一つのポジションのみ選挙が行われたが、他のポストは対立候補者なく決定し、十四名の新理事で船出をすることになった。

 次にアジア柔道連盟のメイン行事である大会開催国が次の様に決定した。
 2004年は、アジア選手権大会がカザフスタンで、アジアジュニア選手権大会がカタールで開催される。二○○五年は、アジア選手権大会がウズベキスタンで、アジアジュニア選手権大会が台湾で開催されることとなった。二○○六年は、カタールのドーハでアジア大会が開催されることがすでに決定している。

 三番目は、韓国でのアジア選手権大会からブルー柔道衣を採用することが多数決で決定され、五つの大陸全てがブルー柔道衣を使用することとなった。今後のアジア柔道連盟の全ての公式大会でブルー柔道衣を使用することとなった。今までは、アジアだけは白色柔道衣のみを使用することとしてきたが、世界的趨勢で、幾つかの国々から、なぜIJFに合わせないのかとの問い合わせがあり、総会にかけて決定したのである。

 私がアジア柔道連盟の会長になって以来、アジア各国の柔道の普及とレベルアップに力を注ぎ、全日本柔道連盟や講道館の支援のもと、指導者派遣や柔道衣・畳等の援助を行ってきた。また、JUA支援基金を作って、充分な柔道活動が出来ない国々への援助も行って来た。アジア大陸は、広く、貧富の差も大きく、宗教上の違い等もあり、一つにまとめることが困難な面が多く、四年間では充分な活動も出来なかった。

 今後四年間は、過去の四年間を踏まえて、柔道人口の増加、技術的レベルアップ、教育面の充実、各国の状況確認、各国を一つにまとめること等を理事会のメンバーと協力し合って実行していきたいと思っている。
 具体的には、指導者の派遣や設備、用具の援助を続けていくことは勿論のことであるが、出来るだけ多くのアジアの国々を訪問し、その国の実状を知り、各国連盟の人々と対話をする機会を多く持ちたいと考えている。

 また、柔道の教育面の充実も図りたい。最近、選手の礼法や態度面で悪いことが多かったり、コーチのマナーが悪かったりする場面が目立ってきている。特に感じることは、強い国程その傾向があり、弱い国の選手程マナーや礼法がキチンと行われている様に思われてならないこの頃である。昨年の国際大会等で、コーチの態度が悪かったり、帽子をかぶってコーチ席で大声をあげていたり、酒気をおびてコーチをしていたりする者があった。選手でも、試合に負けた後の礼法がなっていなかったり、試合場で裸になって歩き廻っている者もよく見られる光景である。これらの点を改善していかなければならない。大会やセミナー等を通じてアジアから改めていきたいと考えている。この点についても全日本柔道連盟や講道館の柔道指導者等の熱い協力をお願いするものである。

 アジア柔道のレベルは少しずつ上がってきている。以前は、限られた僅かの国しか目立たなかったが、最近は、アジアの多くの国々がメダルにからんできている。昨年の大阪での世界選手権大会では、十六個の金メダルのうち十三個がアジアの国々が獲得した。優勝国も日本を筆頭に韓国、中国、イラン、北朝鮮が金メダルを獲得している。また、韓国の済州島でのアジア選手権大会でも九ヵ国が金メダルを獲得し、各国のレベルアップがなされている状況がうかがえる。「一本」を獲る様な技術のレベルアップを期待したい。

 現在、アジア柔道連盟加盟国は三十八ヵ国であるが、在任期間内には四十ヵ国を越える様にしたいと考えている。
 さらに、柔道を欲する国々や愛する人々があるところには、アジア柔道連盟としては、出来るだけの協力、援助を惜しまないでやっていきたいと考えている。

 出来る出来ないは別として、アジア柔道連盟としてアジアの国々をバックアップすることに努力していきたい。それには、全日本柔道連盟及び講道館の強力なバックアップがなければ出来ないことであり、御支援・御鞭撻を賜りますことをお願いしつつ、アジア柔道連盟会長として実行しなければならない任務の一端を述べて筆を擱きたいと思います。

(アジア柔道連盟会長)

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