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機関誌「柔道」

1999年6月号

主要内容
1 平成11年全日本柔道選手権大会

平成11年度の"柔道日本一"を決める全日本柔道選手権大会は、4月29日北の丸公園の日本武道館において開催された。本年度は、天皇・皇后両陛下の御臨席を仰ぎ、全日本柔道連盟の創立50周年を記念する特別な大会である。IJFパク会長も観戦された。また、本大会は、今秋イギリス・バーミンガムで開催される世界柔道選手権大会100kg超級、無差別の日本代表の最終選考も兼ねた重要な大会でもある。大会を前に、4月2日、昨年度優勝の篠原五段、準優勝の井上(康)三段がシードされ、出場地区、所属、出身校が考慮されて出場37選手の組み合せ抽選が講道館で行われた。

群を抜く篠原五段が二連覇達成なるか、新進気鋭の村元三段、井上(康)三段、棟田三段、猿渡三段等の戦いぶりはどうか、また二回の優勝経験を誇る金野五段、そして養父五段、三谷四段、真喜志四段等のベテラン勢の活躍等々、熾烈な戦いが予想されるところであった。
大会当日、定刻10時から開会式、37選手が入場して整列、小粥義明大会委員長が開会宣言、君が代斉唱の後、篠原五段より天皇杯、優勝杯、優勝旗が返還されレプリカが授与された。続いて嘉納行光大会会長から選手激励の挨拶があり、出場選手を代表して佐藤伸一郎六段の選手宣誓があって開会式を終了した。試合結果は次の通りである。

優 勝 篠原 信一(五段・推薦)
準優勝 棟田 康幸(三段・東京)
三 位 三谷浩一郎(四段・東京)
三 位 猿渡 琢海(三段・東京)
五 位 井上 康生(三段・推薦)
五 位 真喜志慶治(四段・東京)
五 位 大坪 俊裕(三段・東京)
五 位 養父 直人(五段・近畿)
2 全国柔道高段者大会

平成11年全国柔道高段者大会は、講道館において4月28日午前9時から盛大に開催された。嘉納行光大会会長の挨拶の後、本大会出場回数30回・2名、20回・10名、10回・56名の計68名の表彰が行われた。その後、「護身術」取・中島晃六段、受・田中祥夫五段、「古式の形」取・小野武七段、受・大坂栄次郎七段の演技が行われ試合に移った。本年の大会申込者は、五段・468名、六段517名、七段・182名、八段・16名の計1183名であった。今大会は大道場の他に6階の学校道場も利用し、6試合場を設け熱戦が展開された。
3 皇后盃全日本柔道選手権大会(全日本柔道連盟創立50周年記念)

本大会は4月18日愛知県武道館において、生憎の雨にもかかわらず開場とともに大勢の女子柔道ファンが詰めかけた。10時30分、愛知県警察音楽隊の演奏に合せ選手入場、鳥海委員長の開会宣言の後、昨年優勝の二宮美穂選手から優勝旗、皇后盃、文部大臣杯が返還されレプリカが授与され、選手を代表して上村美紀選手に出場証が授与された。選手宣誓は水谷有希(東京)選手が行い、角地泰子(北信越)選手には10回、齋藤穂子(北海道)選手には7回の多年出場を記念して、賞状と記念品が授与された。本大会は、二宮の三連覇なるか、阿武(東京)の返り咲きなるか、はたまた、初出場22名と新しい波がおしよせるか、興味の尽きない試合展開が予想された。試合結果は次の通りである。

優 勝 阿武 教子(東京)
準優勝 上野 雅恵(推薦)
三 位 前田 桂子(推薦)
三 位 山本  恵(推薦)
五 位 二宮 美穂(推薦)
五 位 山下まゆみ(近畿)
五 位 兼子 直子(東京)
五 位 石橋 千里(関東)
4 全日本選抜柔道体重別選手権大会

第32回全日本選抜柔道体重別選手権大会は、4月4日福岡市民体育館で開催された。本大会は、10月にイギリスのバーミンガムで行われる世界選手権の最終選考会を兼ねた大会であり、初出場の怪童棟田、鈴木の試合ぶり、ベテラン古賀、吉田の復活なるか等柔道関係者、愛好者にとって話題の多い大会となった。10時、60kg級の徳野選手を先頭に7階級56名の選手が堂々と入場した。昨年度100kg超級で優勝した篠原選手がJOC杯を返還し、九州柔道協会理事長・藤田弘明氏、全日本柔道連盟会長・嘉納行光氏、西日本新聞社社長・清水豊氏、が挨拶され、最後に今大会最年長者の金野潤選手が力強い宣誓を行って開会式を終了した。各階級優勝者と各種受賞、世界選手権代表者は次の通りである。
◎各階級優勝者と各種受賞
60kg級   徳野 和彦 陸上自衛隊第四師団長賞
66kg級   中村 行成 福岡県公安委員長賞
73kg級   中村 兼三 福岡県警察本部長賞
81kg級   瀧本  誠 福岡矯正管区長賞
90kg級   吉田 秀彦 福岡商工会議所会頭賞
100kg級  窪田  茂 JOC杯(第21回)西日本新聞社社長賞
100kg超級 篠原 信一 九州管区警察局長賞

◎世界選手権代表選手(カッコ内は年齢)
60kg級   徳野 和彦(24)、神奈川県警察
66kg級   中村 行成(26)、旭化成工業
73kg級   中村 兼三(25)、旭化成工業
81kg級   塘内 将彦(21)、国士舘大学
90kg級   吉田 秀彦(29)、新日本製鐵
100kg級  井上 康生(20)、東海大学

5 講道館大阪国際柔道センター「平成11年度前期紅白試合」

講道館恒例の紅白試合が4月25日、講道館大阪国際柔道センターで開催された。当日、開会式は定刻午前9時30分、役員・選手一同威儀正しく整列の中、開会宣言の後、米澤三郎講道館大阪国際柔道センター長、岩崎総務部長からの挨拶、西岡弘指導部長から試合上の注意事項が達せられ、試合が開始された。優秀な成績を挙げ抜群即日昇段となった選手は次の通りである。

竹谷 直博(16歳、初段から弐段へ)、清風高校
末永 智也(20歳、初段から弐段へ)、大阪大学
川口 雅朗(17歳、初段から弐段へ)、大阪工業大学高校
6 全日本柔道連盟創立50周年記念式典及び祝賀会

全日本柔道連盟創立50周年記念式典及び祝賀会は、平成11年4月29日、赤坂プリンスホテルにおいて午後六時から関係諸団体・関係者多数列席のもと、盛大に開催された。式典は、大矢喜久雄全柔連副会長の「開式の辞」に続き、嘉納行光全柔連会長の挨拶、来賓である朴世界柔道連盟会長の祝辞、財団法人日本オリンピック委員会会長・八木祐四郎氏の祝辞、祝電披露、表彰状授与式、受賞者代表による謝辞、最後に鳥海又五郎全柔連事務局長の「閉会の辞」で記念式典を終了した。
引き続き、ホテル内で場所を移し祝賀会に移行した。祝賀会は、まず鏡開きが実施された。鏡開き参加者は、全柔連会長・嘉納行光氏、全柔連副会長・大矢喜久雄氏、全柔連副会長・小粥義朗氏、国際柔道連盟会長・朴容 氏、日本体育協会会長・安西孝之氏、講道館道場指導部長・醍醐敏郎氏、ミズノ株式会社取締役社長・水野正人氏、講道学舎理事長・横地治男氏、全日本柔道選手権大会本年度優勝者・篠原信一氏、全日本女子柔道選手権大会本年度優勝者・阿武教子氏であった。日本体育協会会長・安西孝之氏の乾杯の音頭に続き祝宴に移った。祝宴の間、初っ切り太鼓が披露され、和やかな雰囲気の中で大勢の参加者が五十周年をお祝いした。

7 その他

座談会"熱戦を語る"、上村春樹氏、藤猪省太氏、南喜陽氏。全日本選手権大会の結果を振り返っての座談会。
平成11年高等学校教員資格認定試験
全柔連事務局のページ
講道館講習会(愛媛県)
パキスタンでの柔道指導、冨山公司氏執筆
講道館柔道図書館の御案内、講道館図書資料部
科学のページ(柔道思想の研究 柔と柔の理の意味について)藪根敏和氏執筆。
少年柔道指導を経験して、小野龍雄氏執筆
講道館月次試合
柔道界展望台
第19回全国高等学校・中学校柔道指導者研修会開催について、日本武道館
講道館昇段者

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