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機関誌「柔道」

1999年2月号

主要内容
1 講道館鏡開式新春の講道館の行事

講道館鏡開式新春の講道館の行事は、1月4日の講道館役職員賀詞交換会、5日の寒稽古始、そして古式ゆかしい鏡開式へと続く。講道館恒例の鏡開式は1月第二日曜日に行われることになっているが、今年度は嘉納治五郎杯国際柔道大会が1月9日(土)、10日(日)に開催されたため、1月15日(金・祝)の午前10時より講道館国際柔道センター大道場において挙行された。全国各地より来られた来賓の方々、高段者そして一般修行者、女子修行者、少年部の子供たち、見学者、マスコミ取材陣が朝早くから続々と大道場につめかけた。鏡開式の次第
(1)館員代表賀詞 九段 大矢喜久雄
(2)館長挨拶 講道館館長 嘉納 行光
(3)形 投の形、固の形、極の形、柔の形、護身術、五の形、古式の形
(4)乱取 少年部、女子部、有段者
(5)昇段発表証書授与
(6)しるこ会
2 平成11年講道館審議会審議員並びに道場役員等

1月15日講道館鏡開式の当日、平成11年講道館審議会審議員、道場役員、技研究部部員並びに柔道科学研究会運営委員が講道館長から委嘱された。
3 講道館寒稽古始

恒例の寒稽古が今年も1月5日(火)から1月14日(木)までの10日間、早朝の5時30分から7時30分までの2時間にわたって行われる。寒稽古初め式は午前7時、大道場に響き渡る大太鼓の音を合図に一同それまでの稽古を一斉に止めて、師範席の前に整然と整列、嘉納師範のお写真に拝礼、続いて嘉納館長から「寒稽古は講道館が明治15年嘉納師範によって創設されて以来、初期の頃から講道館の重要な行事の一つとして今日まで継承されてきた。寒稽古は暑中稽古とともに、柔道の修行において最も過酷な条件のもとで稽古をやることが、強靱な精神力を養うことに大きな意義があるものと思う。寒い最中なので怪我をしないよう頑張って下さい」との挨拶があり、再び乱取の後7時30分寒稽古の初日を終了した。
4 嘉納治五郎杯国際柔道大会

第8回嘉納治五郎杯国際柔道大会は、1月9日(土)、10日(日)の2日間に亘り、日本武道館において39の国と地域から役員・選手約400名を集めて盛大に開催された。本大会は、講道館創立100周年(昭和57年)記念事業の一つとして、創始者嘉納治五郎師範を偲び、世界柔道の正しい発展を期することを目的として昭和53年から開催されたものである。当初は4年毎に開催されていたが、海外からの強い要望により平成2年に開催された第4回大会からは、2年毎に開催されることに変更された。大会は1月6日(水)の選手団来日に始まり、7日(木)には国際柔道医科学シンポジウム、8日(金)の審判会議、抽選会をへて、9日(土)に開会式と60kg級、66kg級、73kg級、81kg級の4階級、10日(日)に90kg級、100kg級、100kg超級の3階級という日程で行われた。日本選手は各階級4名が出場した。試合成績は次の通りである。
(1)60kg級
  日本選手:江種辰明、堤 時貞、内柴正人、野村忠宏
  優勝:内柴正人
  二位:江種辰明
  三位:鄭富競(韓国)
  三位:タイマン・セドリック(ベルギー)
(2)66kg級
   日本選手:小見川道浩、岡田隆二、鳥居智男、浅見重紀
  優勝:バンブダウ・ラルビ(フランス)
  二位:小見川道浩
  三位:鳥居智男
  三位:ソメービル・デビッド(イギリス)
(3)73kg級
  日本選手:安達春樹、金丸雄介、矢野智彦、宝 実
  優勝:シャツルバビン・アンドレイ(ウズベキスタン)
  二位:バンノル・コエン(オランダ)
  三位:ペドロ・ジェームス(アメリカ)
  三位:ボルドバァータル・ハリウン(モンゴル)
(4)81kg級
  日本選手:塘内将彦、鉄谷竜二、瀧本 誠、廣川充志
  優勝:塘内将彦
  二位:クラボズィック(ポーランド)
  三位:鉄谷竜二
  三位:ライター(オーストリア)
(5)90kg級
  日本選手:大原尚喜、近藤秀作、三矢 諭、中村佳央 
  優勝:フィジンガ・マーク(オランダ)
  二位:中村佳央
  三位:三矢 諭
  三位:モーガン・キース(カナダ)
(6)100kg級
  日本選手:宋真一郎、井上康生、井上智和、鈴木桂治
  優勝:井上智和
  二位:ナツラ(ポーランド)
  三位:井上康生
  三位:鈴木桂治
(7)100kg超級
  日本選手:養父直人、高橋宏明、棟田康幸、村元辰寛、金野 潤
  優勝:棟田康幸
  二位:トメノフ・タメルラン(ロシア)
  三位:村元辰寛
  三位:モラー・フランク(ドイツ)

5 アジア競技大会柔道競技

第13回アジア大会は12月6日に開会式があり、柔道競技は7日から10日までの4日間、25ケ国・地域から184名がエントリーし、タマサート大学複合競技場で熱戦が展開された。日本選手及びその成績は次の通りである。
(男子)
 60kg級  徳野和彦(神奈川県警) 優勝
 66kg級  中村行成(旭化成)   優勝
 73kg級  中村兼三(旭化成)   二位
 81kg級  窪田和則(警視庁)   敗者復活三回戦で敗退
 90kg級  中村佳央(旭化成)   二位
100kg級  井上康生(東海大学)  優勝
100kg超級 篠原信一(旭化成)   優勝
(女子)
 48kg級  真壁友枝(住友海上)  優勝
 52kg級  永井和恵(ダイコロ)  三位
 57kg級  日下部基栄(純真女子短大)三位
 63kg級  木本奈美(住友海上)  二位
 70kg級  天尾美貴(埼玉大学)  二位
 78kg級  阿武教子(明治大学)  敗者復活二回戦で敗退
 78kg超級 二宮美穂(コマツ)   三位
6 講道館杯日本柔道体重別選手権大会

平成10年度講道館杯日本柔道体重別選手権大会は、平成10年11月28日(土)、29日(日)の両日、警視庁武道館において開催され、大会初日には、60kg、66kg、73kg級の三階級、2日目には81kg、90kg、100kg、100kg超級の四階級が行われた。本大会は本年イギリス・バーミンガムで行われる世界柔道選手権大会の第一次選考会を兼ねている。なお、アジア大会の代表選手は出場免除となった。入賞者は次の通りである。
◎60kg級
 優勝:堤 時貞、 二位:内柴正人、 三位:古根川実、江種辰明
◎66kg級
 優勝:鳥居智男、 二位:浅見重紀、 三位:園田隆二、南條充寿
◎73kg級
 優勝:矢野智彦、 二位:宝 実、  三位:金丸雄介、道見知宏
◎81kg級
 優勝:瀧本 誠、 二位:鉄谷竜三、 三位:塘内将彦、古賀稔彦
◎90kg級
 優勝:吉田秀彦、 二位:大原尚喜、 三位:近藤秀作、飛塚雅俊
◎100kg級
 優勝:鈴木桂治、 二位:宋真一郎、 三位:井上智和、大坪俊裕
◎100kg超級
 優勝:金野潤、  二位:養父直人、 三位:棟田康幸、高森啓吾

7 全日本産業別柔道大会

第46回全日本産業別柔道大会は、平成10年11月23日(月・祝)講道館大道場において開催された。ほん年は過去最多の16部門が参加する充実した大会となった。また女子柔道の活性化を図るためのオープン競技として女子選手による第5回東西対抗戦も併せて実施された。
◎第1部:繊維部門が8?5で印刷出版部門を降し13連勝、32回目の栄冠を手中にした。
◎第2部:医療接骨部門が10?5で建設部門を破り二度目の優勝を果たす。
◎第5回女子東西対抗戦:手に汗を握る熱戦を展開、東軍が?ー5内容差で西軍を振り切り雪辱、二度目の栄冠を手中にした。

8 全日本視覚障害者柔道大会

第13回全日本視覚障害者柔道大会は、平成10年11月22日(日)講道館大道場において開催された。17都道府県61名とイギリス10名、アメリカ8名、オーストラリア1名の参加を得て学生、一般、女子、シニアの部門別個人戦と都道府県対抗戦、国別対抗戦の団体戦が行われた。
◎体重別個人戦の部
 60kg級: 優勝:広瀬 誠(一般・東京)    二位:米田幸弘(学生・熊本)
 66kg級: 優勝:藤本 聡(一般・徳島)    二位:鈴木利明(学生・静岡)
 73kg級: 優勝:加藤則夫(一般・埼玉)    二位:石坂 啓(学生・熊本)
 81kg級: 優勝:ムーアスコット(アメリカ)  二位:西牟田竜二(徳島)
 90kg級: 優勝:ルイス・ブレッド(アメリカ) 二位:ローズ・イアン(イギリス)
 90kg超級:優勝:パウエル・テリー(イギリス) 二位:宮内栄司(徳島)

▽女子の部:  優勝:バスティン・ビバリー(イギリス)二位:赤塚正美(東京)
▽シニアの部
 70kg級: 優勝:関 民男(茨城)        二位:緒方 博(熊本)
 70kg超級:優勝:ウェブ・トニー(イギリス)   二位:雨宮征雄(宮崎)

◎都道府県対抗戦
 優勝:徳島県      二位:静岡県       三位:東京都
◎国別対抗戦
 優勝:イギリス     二位:静岡県       三位:東京都

9 講道館大阪国際柔道センター「平成10年度・後期紅白試合」開催

講道館恒例の紅白試合が平成10年12月20日(日)講道館大阪国際柔道センターにおいて開催された。本大会の出場申込者は203名で、内訳は四段7名、参段17名、弐段52名、初段127名であった。また抜群即日昇段者は初段・小林勇介、初段・菊川顕、弐段・小林勤の3名であり、それぞれ弐段・参段に即日昇段した。
10 その他

IJF理事会報告(IJF教育理事・中村良三氏、執筆)
全柔連事務局のペ?ジ(平成11年度主要大会開催予定)
北から南から(神奈川県、福井県、愛知県、島根県)
第三回国際柔道シンポジウム(シンポジウム組織委員会)
サハリン交流に向けて(室田晴康氏、執筆)
中近東アフリカ柔道派遣団報告(山崎俊輔氏、執筆)
私たちの道場、私たちの求めるもの(橋本敏明氏、執筆)
講道館月次試合
「青少年柔道普及振興基金」設立、募金事務局だより
第11回国際武道文化セミナーの開催について(御案内)
柔道界展望台
講道館昇段者

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