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機関誌「柔道」

1998年6月号

主要内容
嘉納治五郎師範没後六十年祭
平成十年四月二十八日(火)嘉納治五郎師範没後六十年祭が、荘厳な気に包まれた講道館大道場において執り行われた。嘉納師範は教育者として柔道を通じ人間形成を説かれ、昭和十三年には日本体育協会の初代会長として、スポ?ツ振興に努力され、カイロオリンピック会 議で東京誘致に成功され、その帰途太平洋上氷川丸で昭和十三年五月四日逝去されました。門人等しく在りし日の師範を偲び、ご冥福をお祈りいたしました。

全日本柔道選手権大会
(1)平成十年の柔道日本一を決定する全日本柔道選手権大会が、四月二十九日(水)日本武道館において開催された。今年は昨年度優勝の金野の二連覇・三度目の優勝なるか、世界選手権代表の篠原・真喜志の初優勝なるか興味が持たれた。定刻11時から開会式、36名の選手が入場、小粥義朗大会委員長の開会宣言、君が代斉唱の後、金野五段から天皇杯・優勝杯・優勝旗が返還され、続いて嘉納行光大会会長から挨拶があった。試合結果は次の通りである。

優 勝 篠原 信一 四段
準優勝 井上 康生 三段
三 位 中村 佳央 五段
三 位 増地 克之 四段
五 位 三谷浩一郎 四段
五 位 金野  潤 五段
五 位 真喜志慶治 四段
五 位 吉田 秀彦 四段
なお、今年度より出場選手中最も感動を与えた選手を観客が選ぶ"感動大賞"が設けられたが、今回は吉田秀彦四段が選ばれ、観客代表より大賞が贈られた。

(2)座談会(熱戦を語る) 上村春樹八段、藤猪省太八段、南喜陽七段の各氏により、熱戦を振り返って座談会を実施、大会の様子を大いに語っていただいた。

嘉納師範没後六十年祭記念九段昇段者および新九段のことば
去る四月二十八日講道館において、嘉納師範没後六十年祭が盛大に行われたが、その際別に記念の新九段昇段式が意義深く挙行された。名誉ある昇段者は次の通り。

茄川 政志(秋田) 羽川 伍郎(東京)
青木 五郎(福島) 清水喜三郎(東京)
角  利男(福岡) 杉山 千住(岐阜)
井出 友則(長野) 法 保晴(鹿児島)
西岡  弘(大阪) 山舗 公義(三重)
三宅 悦次(岡山) 工藤 信雄(埼玉)
大矢喜久雄(愛知) 二瓶 英雄(北海道)
山口  宏(千葉)
全国柔道高段者大会
本大会は四月二十八日講道館大道場及び学校道場の6試合場において開催された。嘉納行光大会会長の挨拶の後本大会出場回数30回・1名、20回・14名、10回・40名の表彰と、「古式の形」(取・平川正雄七段、受・三輪春夫七段)の演技が行われた。本年は1308名の申込があり、実際の出場者は1211名(五段・490名、六段・514名、七段・188名、八段・19名)であった。閉会式において技能の際だった42名に優秀選手賞が授与された。

皇后盃全日本柔道選手権大会 本大会は、四月十九日愛知県武道館において開催された。開会式は鳥海委員長の開会宣言に始まり、前年度優勝の二宮美穂選手(コマツ)よる皇后盃と優勝旗の返還、谷本歩実(東海・桜丘高校)選手が代表して大会出場証を授するとともに、嘉納名誉会長の挨拶等の後、昨年 パリで行われた世界柔道選手権大会優勝者・田村亮子(トヨタ自動車)選手、阿武教子(明治大学)選手に表彰状と記念品、また本大会出場が七回となる二宮美穂・阿武教子・国吉真子(コマツ)・藤本哲子(ダイコロ)各選手に嘉納名誉会長より表彰が行われた。試合結果は次の通り。
優 勝 二宮 美穂(推薦)
準優勝 上野 雅恵(北海道)
三 位 山本  恵(近畿)
三 位 前田 桂子(近畿)
五 位 石橋 千里(関東)
五 位 天尾 美貴(推薦)
五 位 阿武 教子(推薦)
五 位 山下まゆみ(推薦)
毎年本大会は新しい選手が活躍しており、今年は19歳の上野雅恵選手(二位)と18歳の前田桂子選手(三位)の活躍が目立ち会場を沸かせてくれた。

全日本選抜柔道体重別選手権大会 四月五日福岡市民体育館で開催された。本大会は九月にベラル?シ・ミンスクで行われるワ?ルドカップ柔道大会の代表選考会を兼ねている。各階級優勝者とワ?ルドカップ代表選手は次の通り。
各階級優勝者
60kg級 徳野 和彦
66kg級 中村 行成
73kg級 中村 兼三
81kg級 窪田 和則
90kg級 田辺  勝
100kg級 井上 智和
100kg超級 篠原 信一
ワ?ルドカップ代表選手
60kg級 野村 忠宏 徳野 和彦
66kg級 中村 行成 園田 隆二
73kg級 中村 兼三 岩川 武久
81kg級 窪田 和則 藤田 博臣
90kg級 中村 佳央 田辺  勝
100kg級 井上 康生 井上 智和
講道館大阪国際柔道センタ?前期紅白試合
四月二十六日、今年で6回目となる前期紅白試合が、講道館大阪国際柔道センタ?で開催された。本館より嘉納行光講道館長、向井幹博道場指導部幹事が出席、参加選手は一本を取る柔道を目指し、それぞれ熱戦を展開した。抜群即日昇段者は橘雅祥選手(18歳・大阪経済大学)1名で、弐段から参段へ即日昇段した。なお、次回紅白試合は十二月二十日(日)に実施予定です。

ハンガリ?国際柔道大会(女子)
二月二十八日・三月一日の二日間、ブタペスト、スポ?ツホ?ルにおいてハンガリ?国際柔道大会が開催された。参加国数・30カ国、参加選手・168名であり、日本代表選手とその成績は次の通り。

48kg級 松田 邦恵(沖学園中学) 優勝
48kg級 山口  静(平成国際大) 二位
52kg級 中谷 美保(横浜国立大)  
57kg級 大石いづみ(筑波大)  
57kg級 日下部基栄(福工大附高) 優勝
63kg級 南  千草(柳川高) 三位
70kg級 古賀 幸恵(湊川女子高)  
78kg級 森島 直美(埼玉大) 優勝
その他
IJF理事会報告 中村良三氏執筆(IJF教育理事・筑波大)
平成十年度高等学校教員資格認定試験
全柔連事務局のペ?ジ
スペイン「形」講習会の指導 山本四郎氏執筆(講道館道場指導部)
サモア・フィジ?柔道巡回指導を終えて 辻芳實氏執筆(京都府警)
オリンピックソリダリテイ?コ?ス サウジアラビアでの指導 高澤雅樹氏執筆(大阪府警)
マダカスカル柔道指導2年間の報告 野口仁士氏執筆(コマツ)
東日本ハウス杯和旗高校柔道大会
中華民国台湾省嘉陽高級中学校柔道指導記 水野博介氏執筆(東海高校)
講道館月次試合
柔道界展望台
講道館昇段者

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