「日アセアン JITA-KYOEI PROJECT」の全体会議 及び SEA Games柔道競技視察(マレーシア・クアラルンプール)報告
2017年10月 1日
東南アジア諸国10カ国のスポーツの祭典第29回South East Asian Games (以下、「SEA Games」がマレーシア・クアラルンプールにおいて開催された。各国柔道連盟の役員、選手が集まるこの機会を利用して国際交流基金アジアセンターと講道館との共催事業である「日アセアンJITA-KYOEI(自他共榮) プロジェクト」の全体会議を行なった。
プロジェクトの趣旨
本事業は、日本発祥であり世界の文化として発展した柔道を通じて、アセアン各国との交流を促進するプロジェクトである。人的交流、技術指導、教材作成等により、交流強化、人材育成、ネットワーク構築の促進を目指している。
2016年度にはアセアン各国柔道連盟会長招へい事業を行ったが、今年度からは本格的な柔道を通じた国際交流事業を展開してゆく。今後、高いレベルでの技術および 理論の習得を目的とした指導者育成、並びに選手、コーチ、審判員等の幅広い層を対象とした柔道の普及活動を通じて、日本文化の制度や理念の提供・協力を行うことで国際貢献を 実現すると同時に、関係者間のネットワークを形成し、相互理解の促進を図ってゆく。
○日 時
◇全体会議 8月24日(木) 16:30?18:00
◇個別会合 8月25日(金)、26日(土)、27日(日)適宜
◇SEA Games柔道競技 8月26日(土)、27日(日)
○場 所 KLCC コンベンションセンター 第5ホール会議室(マレーシア)
○主 催 国際交流基金アジアセンター、講道館
○対象国 東南アジア諸国内のIJF加盟9カ国(カンボジア、インドネシア、ラオス、
マレーシア、ミャンマー、フィリピン、タイ、シンガポール、ベトナム)
○出席者:
カンボジア: ラッチ・ブッティ(会長)
インドネシア: スベノ(審判員)
ラオス: カムボール・シパセウス(副会長)、
サンタラック・チャサーン(副会長)、
マレーシア:モハマッド・タフィーク・オマール(会長)、
サリコン・サルピン(会長代理)、
ミャンマー: ニャン・ソー(コーチ)
フィリピン: デビッド・カーター(会長)
タイ: ハッサボディン・ロジャナチバ(会長、東南アジア柔道連盟)、
アモンラット・タウィーラッタナシン(事務局長)
シンガポール: アズファー・アリ(理事)、ロー・チー・キャン(理事)
ベトナム: グエン・フ・アン(事務局長)、
下山雅也(国際交流基金アジアセンター部長)、
藤田真郎(講道館国際部長)、小志田憲一(講道館企画室兼道場指導部課長)
○内容:
◇全体会議
アジアセンターの下山部長から本プロジェクトの趣旨説明、講道館の 藤田国際部長からこれまでの取り組みと今後3年間の事業展開などについて説明があった。その後、各国代表者と主催者側の間で今後の具体的な活動について活発な意見交換がなされた。
今年度は、各国から2名ずつの指導者を招聘して国際セミナーを実施する他、ブルネイへの調査団派遣(実施済み)、ミャンマー(実施済み)、ラオス、タイへの指導者派遣を行う予定。
国際セミナーは2019年度まで毎年継続し、指導者派遣については、2018年度にフィリピン、マレーシア、カンボジア、2019年度にシンガポール、ベトナム、インドネシアに対して行うこととなった。
また、これからの活動については、講道館、国際交流基金アジアセンター及びアセアン諸国が主体となって、関係諸団体との連携を図りながら、事業をより効果的に展開してゆくことが確認された。
◇個別会議
全体会議で議論された内容を踏まえて、各国代表者に対して、現状確認と要望調査などを行った。それぞれの国で柔道の普及の度合い、連盟の課題や国内での立ち位置などに違いがあることから、状況に応じた人材育成、適切な支援が求められた。
◇SEA Games 柔道競技
今回のSEA Games 柔道競技にはアセアン諸国内でIJFに加盟している8 カ国が参加した。実施された階級は男子66kg級、73kg級及び81kg級、並びに女子63kg級、70kg級 及び78kg級の各3階級だった。結果は以下のとおり。
第29回 SEA Games 各国別メダル獲得数 | |||
国名 | 金メダル | 銀メダル | 銅メダル |
インドネシア | 2 | 1 | 1 |
フィリピン | 2 | 0 | 3 |
タイ | 1 | 2 | 1 |
ベトナム | 1 | 1 | 2 |
マレーシア | 0 | 1 | 3 |
ミャンマー | 0 | 1 | 0 |
ラオス | 0 | 0 | 1 |
シンガポール | 0 | 0 | 1 |
全体会議を終えて各国代表と
左から、下山雅也国際交流基金アジアセンター部長、藤田真郎、小志田憲一
大会役員審判員と
全体会議